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「遺言に関するQ&A 第7編」
今月号は遺言に関するQ&Aの第7編として、「お子さんのいないご夫婦」をテーマとします。
第44号(2023年8月号)もご参照ください。
Q1.どうして「お子さんのいないご夫婦」をテーマとしたのですか?
A1.遺言を作成することでスムーズな財産承継ができますので、是非とも遺言の作成を検討してもらいたいからです。
Q2.どうして遺言があると相続手続きがスムーズになるのですか?
A2.相続人全員で話し合うことなく、遺言で定めた人に財産承継ができるからです。
Q3.お子さんのいないご夫婦の相続人は?
A3.配偶者と亡くなった方の兄弟姉妹です。
もし、兄弟姉妹が先に亡くなっている場合は、その子(つまり甥・姪)が相続人となります。
お子さんのいないご夫婦の一方が死亡した場合、その相続人は「配偶者のみ」と思っている方が多いようです。
しかし、既にご両親が亡くなっている場合、亡くなった方の兄弟姉妹が相続人となります。もし、既に兄弟姉妹も亡くなっている場合は、その子(つまり甥や姪)が相続人となります。
兄弟姉妹が相続人となる事案の中には、きょうだいが7人・8人いることも珍しくはありません。また、既に亡くなっているきょうだいがいれば、甥や姪が相続人となります。このため、お子さんのいない相続の事案は、相続人が増加傾向にあります。
Q4.相続人が増加すると、どうして相続が大変になるのですか?
A4.「相続人全員の合意」を得るのが大変になるからです。
相続人の誰がどの遺産を取得するかは、相続人全員の話し合いで決めます。これを「遺産分割協議」といいます。
遺産分割協議は相続人全員の合意により成立しますので、もし一人でも反対していたり、そもそも相続人全員で協議していない場合、遺産分割は成立しません。
上記のとおり、お子さんのいないご夫婦の事案は、相続人が増加傾向にあります。頭数が多くなれば異なる意見を持った相続人がいても不思議ではありません。
また、親子ほど年の差があるきょうだいもいます。このような事案ですと、「存在は知っているけど話したこともがないし連絡先も分からない。」ということもあります。
Q5.遺留分請求が心配です。
A5.兄弟姉妹やその子である甥・姪には遺留分がありません。
遺留分があるのは「兄弟姉妹以外の相続人」と定められています。ですので、兄弟姉妹やその子である甥・姪には遺留分はありません。
お子さんのいないご夫婦の事案ですと、「全ての財産を妻(または夫)に相続させる。」とすることが多いですが、兄弟姉妹やその子である甥・姪には遺留分がありませんので、遺言を作成することにより、遺留分を心配することなく、また相続人全員の同意を得ることなく(つまり印鑑をもらうことなく)、遺言書に記載したとおりの財産承継を実現することが可能となります。
2.紙面版けやき通信
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