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遺言に関するQ&A 第2編
1.遺言に関するQ&A 第2編
先月号から開始した遺言に関する「Q&A」の第2編です。
今回のQ&Aは2024年1月号(第49号)と関連しますので、第49号もお読みいただくと理解が深まると思います。
Q1.遺言にはどのようなことを記載できますか?
A1.①法定遺言事項と、②付言事項を記載できます。
①法定遺言事項とは
遺言書に記載することで法律上の効果が生じる文言です。
②付言事項とは
遺言書に記載しても法律上の効果は生じませんが、遺言者の思いなどを記載しておく文言のことです。
Q2.法定遺言事項にはどのようなものがありますか?
A2.①財産の承継に関する事項、②身分に関する事項、③遺言執行者や祭祀承継者の指定などがあります。
①法定遺言事項の中で一番多く使われているのは、財産の承継に関する文言です。
例えば「預貯金は妻Aに相続させる。土地・建物は長男Bに相続させる。」といった記載です。
財産の承継に関する事項を記載することで、遺言者の財産承継に対する希望を実現することができます。
②自分の子であることを認める「認知」は、生前だけでなく遺言でもできます。
そして、「認知」するこで「法律上の親子関係が認められる」という身分上の効果が生じます。
その結果、認知された子は認知した親の「子」となり、相続に関しても相続人となります。
③遺言書に記載されていることを実現するには、不動産の名義変更手続きや預貯金の解約手続きなどの「手続き」を行う必要があります。この手続きを行う人のことを、「遺言執行者」と言います。
遺言執行者は遺言で定めておくことができ、定めておくことでスムーズな財産の承継手続きが可能となります。
なお、遺言で定めていなくても、相続人などの利害関係人が家庭裁判所に選任の申立てをすることにより家庭裁判所に選任してもらうこともできます。しかし、「家庭裁判所に申立てをする」というワンステップを踏みますので、少し手間も時間も必要となります。
Q3.「付言事項」にはどのようなものがありますか?
A3.①遺言内容の趣旨を伝える事項、②遺言者の思いを伝える事項などがあります。
①付言事項として、「長男Aはお母さんと同居しており、お母さんの生活を見てもらいたいので、二男Bより分配額を多くしました。」など、遺言内容の趣旨や意図を説明する記載をすることができます。
このことにより、思ったより少ない財産しか承継できない相続人が「どうして?」と疑問に思ったり、遺言者や他の相続人に対して抱く可能性のある不信感や悪感情を抑えることができるかもしれません。
②「これからも健康に留意し、家族全員で仲良く生活してください。」など、家族の将来に対する希望や思いを伝えることも記載できます。
社会のグローバル化により、家族が距離的に近くに住んでいるとは限らず、家族全員が集まる機会は一昔前・ふた昔前に比べて減っていると思います。そのようなことから、家族の将来に対する思いなどを記載することも有益かと思います。
2.紙面版けやき通信
紙面版「けやき通信」は、コチラからダウンロードできます。
ニュースレター(2024.4月号).pdf