WEB版けやき通信第10号「相続登記申請」

相続登記申請

1.まず最初に
 今月号は、遺産分割協議書を作成した後に行う「相続登記申請」について述べていきます。

2.必要書類
 相続登記申請は、登記申請書を作成して法務局に提出して行います(申請はインターネットを利用して「オンライン」でもできます。)。その際、次の書類(「添付書類」)も一緒に提出します。

 ①戸籍謄本
  ア)被相続人の出生~死亡までの戸籍謄本
  イ)相続人全員の戸籍謄本
 ②印鑑証明書
  相続人全員の印鑑証明書
 ③住民票
  不動産を取得した方の住民票
 ④遺産分割協議書
  相続人全員が署名・実印で押印した遺産分割協議書

3.添付書類の有効期間
 相続登記申請に関しては、添付書類の有効期間はありません。
 ですので、相続人を確定するため取得した戸籍謄本や、早めに準備していた印鑑証明書・住民票が少し古くなっていても、改めて取得し直す必要はありません。

 なお、「添付書類の有効期間はない」というのは、「相続登記」の場合です。
 同じ相続手続きでも金融機関など提出先によっては有効期間がある場合もあります。また、同じ登記手続きでも「売買」・「贈与」などでは有効期間があるものもありますのでご注意ください。

4.添付書類の原本還付請求
 添付書類は、必ず原本を法務局に提出する必要があります。しかし、提出した原本を返却してもらうことができます。これを「原本還付請求」といいます。

 作成した遺産分割協議書、取得した戸籍謄本などは預貯金の解約など他の相続手続きでも使用できます。また、紛争が生じた際の証拠として保管しておくことも大切ですので、原本還付請求をするのが一般的です。

5.登記識別情報通知書の発行
 相続登記が完了すると、法務局から「登記識別情報通知書」が発行されます。
 登記識別情報通知書は、相続で不動産の登記名義人となった方が、後日、その不動産を「売買」・「贈与」などした場合の登記申請で使用します。

 注意点は、一度発行されたら紛失・盗難など理由を問わず再発行ができない点です。
 ですので、大切に保管してください。

6.相続登記申請はお早めに!
 登録免許税が高額など理由は様々ですが、時々、遺産分割協議書を作成したのに相続登記申請をしない方がいます。しかし、遺産分割協議書や印鑑証明書を紛失した場合、特に紛争性のある事案では遺産分割協議書の再作成や印鑑証明書取得の再依頼が困難となり、結局相続登記が出来ない・行うのに大変な困難が伴うことがあります。
 このようなことにならないよう、早めに相続登記申請を済ませることが大切です。

7.紙面版けやき通信
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