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遺産の確認(各論「株・投資信託・相続債務編」)
1.まず最初に・・・
遺産の確認方法の最後として、本号では株・投資信託・相続債務について説明します。
2.株・投資信託の具体的な確認方法
株・投資信託は、証券会社に預けていることが大半であり、確認方法も預貯金と共通するところが多いです。
証券会社が、(1)判明している場合、(2)判明していない場合に分けてご紹介します。
(1)判明している場合
残高証明書を取得することをお勧めします。
株・投資信託は、短期間で売却・購入を繰り返していることもあり、相続人が把握している銘柄や株数(口数)と異なっていることがあるからです。
(2)判明していない場合
「(株)証券保管振替機構」に対して、亡くなった方が口座開設をしている証券会社・信託銀行等についての開示請求をします。
(株)証券保管振替機構は、開示請求があった時点において口座開設されている証券会社等の一覧を書面で開示してくれますので、証券会社が判明します。証券会社が判明すれば、その証券会社に対して残高証明書の発行請求をします。
3.保有しているかも分からない場合
そもそも株・投資信託を保有していたかが分からない場合もあります。この場合も上記の(株)証券保管振替機構に対して開示請求をするのが有効です。
また、株券や証券会社からの通知、株主総会のお知らせなどが自宅に残っていないか確認するのも大切です。
4.相続債務(借入)について
債務(借入)は家族に内緒にしておきたいという事情もあり、相続人が把握していない場合も多く、調査が難しい財産の一つです。
5.債務の具体的な確認方法
借入先が、(1)判明している場合、(2)判明していない場合に分けてご紹介します。
(1)借入先が判明している場合
借入先に問合せをして、契約内容や残額などの詳細を確認します。
(2)借入先が判明していない場合
「指定信用情報機関(CIC・JICC)」や「全国銀行個人信用情報センター」に対して、個人情報の開示請求を行います。
指定信用情報機関等には、借入先・借入日・借入残額・返済日などの情報が登録されていますので、借入先や残額などを確認することができます。借入先が判明すれば、借入先に問合せをして、契約内容や残額などの詳細を確認します。
ただし、個人間の借入については指定信用情報機関等に登録はされませんので、①借用書・督促状など借金の存在を窺わせる書類が自宅にないか確認する、②通帳の履歴を確認するなどして確認します。
これまで3回にわたり「遺産の確認方法」について説明しましたが 相続手続きをスムーズに進める観点からは、エンディングノートや保有財産一覧表を作成して、相続人が容易に遺産を確認できる準備をしておくことも大切です。
6.紙面版けやき通信
紙面版「けやき通信」は、コチラからダウンロードできます。
ニュースレター(2025.7月号).pdf