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遺言に関するQ&A 第1編
1.遺言に関するQ&A編 スタート!
2023年7月号(43号)から先月号(50号)まで、遺言について特定のテーマに沿って説明をしてきました。
今月号からは、遺言に関する基礎知識や今までのテーマで説明したことを「Q&A」方式で説明していきます。
Q1.そもそも遺言とは、どういうものですか?
A1.遺言者の最終の意思を尊重し、死後にその意思を実現させるためのものです。
回答が抽象的ですので、具体例で説明します。
父は、「先祖伝来の○○家の不動産は長男が継ぐべき」と考えています。そしてこれを実現するため、「私が所有する不動産は全て長男に相続させる。」という遺言を作成するのが一般的です。
しかし、もしこのような遺言がなければ、父が所有する不動産の帰属は、相続人全員の話し合い(遺産分割協議)で決まります。そのため、必ずしも父の考えが財産承継に反映されるとは限らないということになります。
このように、遺言は、遺言者の意思(希望)を実現させるための手段ということになります。
Q2.遺言はいつから効力が生じますか?
A2.遺言者が死亡した時から効力が生じます。
遺言は、遺言者が死亡するまでは効力が生じません。
また、遺言者より先に遺言による財産承継者(「受遺者」といいます。)が死亡した場合、遺言の効力は生じないというルールもあります。
Q3.「予備的遺言」とは何ですか?
A3.遺言者より先に受遺者が死亡した場合に備えて、別の受遺者を定めておく遺言です。
Q2でも説明しましたが、遺言者より先に受遺者が死亡した場合、遺言の効力は生じません。
しかし、遺言の効力が生じる時まで受遺者が生存しているかは誰にも分かりません。特に、遺言者と受遺者の年齢が近い場合は尚更です。
では、「受遺者が死亡したら遺言を作り直せば良いのでは?」と考える方もいると思います。
確かに、「作り直す」という考えは間違っていません。しかし、現実問題として遺言者が認知症などで作り直すことができない場合もありますし、作り直すとなると手間や公正証書遺言で作り直す場合は費用も掛かります。
そこで、遺言者より先に受遺者が死亡した場合に備えて次のような遺言を作成しておくと、「作り直す」ことなくこの問題に対応できます。
「豊明市○○町一丁目2番3の土地は妻Aに相続させる。万が一、妻Aが遺言者より先に又は同時に死亡した時は、長男Bに相続させる。」。
このような遺言を「予備的遺言」といいます。
Q4.遺言は作り直すことができますか?
A4.できます。
遺言は何度でも作り直せます。
遺言を作った後も、心情や環境の変化、受遺者の態度や状況(受遺者の死亡など)などにより、遺言者の財産承継に対する考えに変化が生じることはあり得ます。
そのため、時々はご自身のお気持ちと遺言の内容が合致しているかを確認することが大切となります。
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